※「わたしのトッポンチーノ」物語①トッポンチーノに魅せられて
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①はこちらをどうぞ!・・・その続きになります。
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「わたしのトッポンチーノ」物語②
「わたしのトッポンチーノ」ができるまで

――前回は、岡田さんのトッポンチーノとの出会いと、そのすばらしさを広めようと活動を始めるところまでをお聞きしました。

岡田:2008〜9年頃の話です。

――10年続けるというのは大変だと思いますが、岡田さんはモンテッソーリ教育全体というより、トッポンチーノに特化して広めておられる?

岡田:「他の教具のワークショップはないんですか?」と尋ねられることもあります。
どれも魅力的な教具ばかりですが、トッポンチーノほどの情熱は持てないですねえ(笑)。

――岡田さんのトッポンチーノは税込みで9000円台。自分で作る用キットはさらにお安いですが、製品のお値段はずっと変わっていませんか。

岡田:わたしのトッポンチーノは、元は8500円でした。
消費税が8%になったのを機にそれまでの内税を外税にして、現在は9350円で販売しています。
これはカバー付きの値段です。この価格を高いと思うかどうかは、人によりますけれど。

 

☆日本で一番最初にワークショップと一般販売を始める

――たとえば、おばあちゃん世代や、贈り物として考える場合には適当な値段だと思う方が多いようですね。

岡田:贈り物には1万円前後だと「ちょうどいいかな」と思われるのかもしれませんね。
10年前、私がトッポンチーノを始めようと思ってネットで調べたときは、日本では一人だけヒットしてきたんです。
ただ、ネット販売ではなく、注文を受けて作る。興味のある方はメールでご連絡下さい、という形をとっておられました。

――ということは、トッポンチーノの一般販売に関しては岡田さんが日本では一番長い?

岡田:私が最初かなと思います。ワークショップをしている方はいませんでしたから、私が日本で初めてだったと思います。

――この10年間で、トッポンチーノに参入してきている人は多いですか。

岡田:10年前、私が「トッポンチーノ」で検索をかけると、ヒットしてくるのは500件ぐらいでしたが、いまは何万件というレベルです。
私が最初でしたので、うちの商品が価格の目安になっていますね。
「ちょっと高い」と言われて4000円、5000円から出しておられるところもありますし、もっと高級感を出しているところもあります。
会社で販売なさっているところは、私より高く12000円ぐらいが相場でしょうか。
傾向として、私の「わたしのトッポンチーノ」以外は、柄(がら)が入っているものが多いようです。

 

☆材料のすべてにベストを追い求めて

――岡田さんの「わたしのトッポンチーノ」は、触ると、すべてが柔らかいというか、手触りがとってもいいですね。

岡田:カバーの生地から中綿含め、オーガニックコットンを使っています。
エミール保育園の青子先生に相談しながら作り始めたんですが、一番最初はオーガニックではなかったですね。
モンテッソーリでは「トッポンチーノは綿100パーセントを使う」ということだけが決まっています、つまり、化繊は使わないと。
そこは絶対、外せない点ですけれども、自分が作り始めてみて、やはり「環境によいこと」と「身体によいもの」を第一に考えました。
とくにトッポンチーノは赤ちゃんが生まれて来て、最初に使うものですから「オーガニックコットンがいいな」と思い始めて、それに合う素材を探して……。
いま現在はレースもオーガニックでやっています。

――日本にオーガニックレースがあるんですか?

岡田:私が使っているレースは日本製ですが、一般にお店では売っていないですね。
ミシンの糸もオーガニックを探したんですが、基本の60番という太さの糸しかオーガニックがなくて。
これより太い糸、細い糸はないんです。ですので、端の始末で、ロックミシンをかける部分に使う細い糸などは、綿の糸を使っています。
中綿については、わが子にトッポンチーノを初めて作ったとき、青子先生のお母様(エミール保育園副園長=当時)に相談しました。
「お布団屋さんに巻き綿を売っているわよ」と教えられて、初めはそれを使いました。
ただ、日本のお布団に使う綿は、オーガニックコットンとは全然違うんですね。
これも探すうち、関東のお布団屋さんでオーガニックコットンを扱っていらっしゃるところを紹介されました。
製綿の定番の場合、綿300グラムを規定のサイズに板状にしていきますが、私がトッポンチーノの理想とする分量より多いんです。
300グラムで作ってみたら、かなり厚くなりましたので、いまではそのお布団屋さんで私用に、250グラムに切ってもらっています。

――すごく細かいところまで気を配られるんですねえ。

岡田:モンテッソーリの基本は変えずに、改良を重ねてきました。
中綿の分量もこれ、という形に決まるまでは、ちょっとずつ変えたり、かなり工夫しました。
最初の頃は、家の近所のオーガニック製品を扱う雑貨屋さんにもだいぶお世話になりました。
こちらはフェアトレードのお店で、レースのオリジナルポーチを作って、他のお店に卸したりされていました。
お店の作業場で材料を染めたり、裁断しておられたので、技術面をいろいろ相談できて助かりました。

 

 

 

テレビ取材で、お客様のご自宅にて撮影の一場面。取材してくださったSさんとは今でも交流があります。

☆NHKなどマスメディアに沢山取り上げられて

 ――ワークショップを始められて、評判はいかがでしたか。

岡田:幸運なことに、トッポンチーノを始めてまもなく、NHKはじめマスメディアに取り上げられたんです。
皮切りは2009年の新聞記事でした。一社取り上げられると、それを見た他の媒体からも取材がきます。
新聞は西日本、毎日、朝日、どんどん来てもらって、その間にNHKで放映されて、さらにピークがきて……。

――売れましたか?

岡田:そうですね。わーっと注文が集中して来たときは、当時、相談していた雑貨店の縫子さんたちに、大変お世話になりました。

――最初の頃にマスメディアに取り上げられて、その後、着実に浸透していくものですか。

岡田:他の人に聞いた話ですが、マスメディアに取り上げられると、売り上げがパーッと上がってピークに達する。
山のてっぺんからはいずれ落ちてくるけれど、元いた場所までは落ちずに、ある程度のところで留まる。その状態が水平にずっと続く感じだと。
いまの時代、露出は重要だと思いますね。やっぱり露出すると、反響がありますから。

――「ここに、こういうことをしている人がいます」と知ってもらうことは大事ですね。

岡田:私が理想とするトッポンチーノの形が完成して、ここ数年の活動はワークショップと、
来る注文に対してできるだけ良いものを作ってお出しするということに集中してきました。
これからはその枠から一歩踏み出して、また新しい10年が築けるんじゃないかと気持ちを新たにしています。

(次回に続く)

インタビュー・文 樋渡優子

 

 

 

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