※「わたしのトッポンチーノ」物語①トッポンチーノに魅せられて

※「わたしのトッポンチーノ」物語②「わたしのトッポンチーノ」ができるまで 

※「わたしのトッポンチーノ」物語③ これからは「俺のトッポンチーノ」も広めます
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①~③はこちらをどうぞ!・・・その続きになります。

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「わたしのトッポンチーノ」物語④
ワークショップでトッポンチーノの良さを伝えたい

――こんにちは。今日は3回目のインタビューになります。

岡田:昨日、今日とトッポンチーノのワークショップだったんですよ。
昨日は佐賀市でしたが、佐賀新聞に取り上げられたおかげで、お問い合わせがとても多くて。
5人のワークショップ枠も満席でした。

――ワークショップは定員5人ですか?

岡田:3時間で全部作り終えるとなると、5人が限度ですね。
昨日の参加者の方はみな、おばあちゃん世代。
新聞を見て、「お孫さんのためにトッポンチーノを作りたい」と申し込まれました。
そのほかにも、「ワークショップには行けないけど、商品がほしい」という注文も多数頂きましたが、これもおばあちゃんになる方たちからでした。

――おばあちゃん世代に人気のトッポンチーノ。

岡田:はい、おばあちゃん世代は子育ての経験があるので、「これはいい!」とピンと来られるみたい。

――贈り物にもぴったりですし。それと、おばあちゃん世代のほうが、手芸や手仕事が得意ということもあるでしょうね。

岡田:そうなんですよ。
昨日参加された方たちも手が早くて、すぐ終わった感じでした(笑)。
また、妊婦さんとおばあちゃん世代がワークショップで一緒になると、会話が弾むんです。
「お嫁さんには負担をかけないように、押しつけがましくないように言葉に気を付けてる」とか、
お義母さんに出産や子育てについて聞きたいことなど、自然に会話が生まれます。

 

☆男の人にも子育てに関心をもってもらういい機会

――ワークショップでは岡田さんはどんなお話をなさいますか。

岡田:時間内にトッポンチーノを仕上げるために、「あれも話さなきゃ、これも話さなきゃ」と頭が一杯(笑)。
作業中はゆっくり話せないので、お茶やランチをご一緒しながら、いろんな話をします。
そのときによって、お姑さんとの関係だったり、出産の話だったりします。
ワークショップを始めて10年たちますが、終わった後は、かなり消耗します。

――それだけ気が張っておられるのですね。父親向けのワークショップもありますか。

岡田:男性参加者の開拓はこれからの課題です。
たとえば、奥さんに付いてこられて、2人でひとつのトッポンチーノを作られる方もいらっしゃいますが、
男の人向けのワークショップは定期的には行っていません。
ただ、男の人のトッポンチーノづくりは絶対いいですよ。
こちらが説明すると、さくさく上手に作って下さいます。
出来上がるとものすごく喜ばれます。
トッポンチーノを作って楽しいと、お父さんも、子どもにもっと関わろうとする。
子育てをしたくなる。子どもを抱っこしたくなる。
子どもが生まれてくることに興味・関心が持てる――トッポンチーノづくりはそのきっかけになると思います。

 

AMI教師養成コースでトッポンチーノづくりの指導をさせていただきました。

☆品質は海外からのAMIのトレーナーもお気に入り

――岡田さんはトッポンチーノの商標登録も取っておられますね。

岡田:形状は含まない、「トッポンチーノ」とカタカナ表記に対してですが、10年前に取りました。
商標登録したのは、もし、他の方が商標登録を取った場合に、私がトッポンチーノという名前を使えなくなると困ると思ったからです。
モンテッソーリ協会では商標登録を取っていないため、モンテッソーリ教育と無関係の人が取得する可能性も生じますので。

AMI(国際モンテッソーリ協会)の教師養成コースに来られた海外のトレーナーの先生方に、私のトッポンチーノを差し上げると、
「とってもいい!」と気に入っていただいて、「ぜひ、どんどん広めなさい」と言葉をもらうのがとても嬉しいです。

――ワークショップを10年続けるということは大変な努力が要ることだと想像します。

岡田:国際教師養成コースの必須課題に指定されているトッポンチーノづくりですから、
活動をスタートしたときから、「ワークショップをやっていきたい」という思いが強かったんです。
まもなくNHKのニュースに取り上げられ、「きっと問合せが沢山来る」と思い、
ネットショップでの取り扱いを始めましたが、それがなければ、インターネットショップはそう急いでは作っていなかったと思います。

――まず、ワークショップありきで。

岡田:そうですね。基本は、ワークショップでトッポンチーノの良さをお伝えしたいという気持ちが一番です。
ただ遠方の方はそれが難しいので、インターネットショップをご利用いただいています。不定期ですが、遠方でもワークショップは開催しています。

――岡田さんのトッポンチーノは、手の中で溶けそうなほどやわらかですね。それと縫製がとてもきれいです。

岡田:私は縫製に関してはかなり要求が高くて、細かいですよ。
それにこたえられる腕のいい方にお願いしていますが、一部、私も縫っています。

 

夫登場~。次男が生まれて3か月頃。インドネシアの抱っこひも(ただの一枚布で巻く)で抱っこ。

☆インドネシア人の夫の自然な子育て

――話は変わりますが、岡田さんのだんな様はインドネシアの方なんですね。

岡田:ええ、インドネシアの旅行で知り合いました。
彼は22歳のときに結婚して福岡に来て、和食料理店で働いていますが、日本にいるほうが長くなりました。

――このお仕事を始められたのには、インドネシアの方と結婚されたことが反映されていますか。

岡田:まず、家事は何でもしてくれます。
そういう人でなければ、いまの仕事はできなかったと思います。
インドネシアは貧富の差も大きいですし、首都のジャカルタとそれ以外の地域の生活もかなり違います。
夫はスラバヤ近くの地方の出身ですが、ここは昔ながらの大家族で暮らす生活習慣が残っている場所なんですね。
自分のきょうだい以外でも、小さい子の面倒みたり、世話したりします。
夫も子どもの扱いにはとても慣れていますから、日本で自分の子どもを育てるときも「自然」の一言でした。

――トッポンチーノのワークショップもご一緒に?

岡田:トッポンチーノの生地のアイロンがけや、私が車を運転しないので、ワークショップに行くときは運転してくれます。
私がワークショップをしている間は、ショッピングセンターのパーキングで昼寝して時間をつぶしたり……。
夫はすることなすこと、すべてが「自然」です。
自然というのがわからないぐらい自然で(笑)。
ふだんから肩肘張って、「ああしたほうがいい」というようなことは、絶対、言わないですね。
特に子どもが近くに来ると、誰の子どもでもものすごく嬉しそうで、そういう才能はすごいなあと感心します。

――お子さんに対しては、どんなお父さんでしょうか。

岡田:小さい時はすごく可愛がりましたが、ある程度大きくなると、猫かわいがりするわけでもなく、
父親としての威厳を誇示するわけでもなく、という接し方です。
子どもたちもそれに慣れているので、我が家は日本的ではないかもしれませんね。
私は夫と子どもたちを「お互い、どう思っているのかな」と不思議に思いながら見ています。
たぶん〝いい距離〟なんでしょう。この点では私のほうが、子どもにべたべたしたいかもしれません。

いまは日本語ぺらぺらですし、家で彼が作るのは大半が和食です。
生活全般がこちらのペースですので、有難いんですが、ときたま、私が意地悪なことを言っちゃうので、気を付けようと思います。
「ここまでしてもらっているのに、まだ文句があるか」と自分で思いながらも、つい言葉で言ってしまうときがあるので(笑)。

 

インドネシアの朝食風景。中庭で食べてます。揚げ物が多い(笑)テンペ最高~。

☆出産後のお母さんたちとも交流の場を

――インドネシアの男性はみなさん、料理をするんでしょうか。

岡田:ジャカルタのような都会は変わってきていると思いますが、夫が生まれ育った村の男の人たちは、普通に料理をしますね。
大皿に盛る料理は男の人たちが用意したり、鶏やハトを絞めるようなことも男の人がします。

――そういう様子を見ていると、日本でももっと男性が子育てや家事に関わってもいいよね、という気持ちになるでしょうね。

岡田:そうですね。トッポンチーノを広めることで、みんながそれぞれにとって自然で、幸せな出産や子育てをしてほしいと思います。
「俺のトッポンチーノ」にも、これから取り組んでいきたいですし、ワークショップを通じて生まれたお母さんたちとの交流を、
出産後も継続していく取り組みも考えています。
定期的に集まって、出産や子育てのことを話し合える場や機会を作っていきたいと思います。

(次回に続く)

インタビュー・文 樋渡優子

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